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慶應大学が高校生の課題研究に協力

2009年8月12日

慶應大学の協力のもとで科学研究を進めていくプログラムが、この8月から1年間の予定で始まった。今回は、生徒(生命科学コース2年生)と私の二人が参加し、8月11日、8月12日の2日間、指導を受けた。全国からの参加希望者は50人以上であったが、その中から15名を選んだそうである。

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日吉キャンパスの医学部実習棟

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最初に、プログラムの概要説明

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実習テキスト

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マイクロピペットを使用

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実習の説明

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マウスの解剖

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電気泳動の実習

【生徒の報告】
 今回は、基本的な実験操作の説明、3つの実習、交流がメインだった。最初に、試薬の量り方、マイクロピペットの使用法、ガラス洗浄の方法を学び、その後、ABO式血液型判定、マウスの解剖、遺伝子解析の実習や講義を受けた。
 その中でも特に印象的だったのは、薬の動物試験についての話と、マウスの解剖実習だった。一つの薬が使えるようになるまで14年以上もかかると聞いて驚いた。医学分野は最新技術を次々に取り入れている、というイメージが強かったためだ。しかし、ヒトに使用するためには慎重な試験が不可欠だということを再認識した。
 マウスの実習では、麻酔の方法として、尾部注射、皮下注射、胃に直接投与の3種あるが、胃に直接入れる方法を見せていただいた。マウスに軽く麻酔をかけてから、針金のようなものを口から気道を避け食道に入れる。マウスは途中で麻酔が切れれば暴れるし、気道・食道共に直径1mm程度で非常に細いので、神経を使う作業だ。薬理実験ならば、2年間、毎日50~80匹のマウスに薬を投与する必要があるのだから大変だ(薬の認可には、さらに毒性試験が2年、ヒトでの試験が計5~6年ある)。
 実際に、マウスを解剖させていただいた。主に消化系、循環系、生殖器系を順番に確認したが、口から肛門まで消化系が繋がっていることを確認でき、感動した。「すい臓を探してごらん」と言われたが見つけられず、結局教えていただいたところ、脂肪か小腸の一部だと思っていたものがすい臓だった。すい臓は肝臓から小腸まで広い範囲に付着しているので、人間の手術の場合でもすい臓癌は技術的に難しいそうだ。脳の構造も見ることができた。視神経や聴神経が確認できた。神経は背骨に沿って枝分かれして全身に広がっており、脳が全身を操っていることを実感した。マウスは嗅覚が発達しているため、ヒトとは違い、鼻の先まで脳が詰まっていた。マウスがよく匂いを嗅ぐ仕草をするのを思いだして、感動した。
 最後に、全国の自然科学や医学に興味がある人と交流が持てたことが嬉しかった。いろいろな地域から集まってきた人たちとの話は新鮮で興味深かった。自分もまだまだ頑張ろうというやる気を貰うことができ、今後の活動の励みになった。

【「はばたけ、世界を先導する医学者へ」事業2009年度予定】
2009年8月11日(火) キックオフミーティング(日吉キャンパス)
2009年8月12日(水) 研究基本操作講習(日吉キャンパス)
2009年12月18日(金) 医学部・病院見学(信濃町キャンパス)
2009年12月19日(土) 再生医学分野講演・福田惠一教授(信濃町キャンパス)
2010年8月9日(土) 研究発表会

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