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蚊の基礎知識(その1)

2008年12月 1日

12月1日(月)の津田良夫 (国立感染症研究所昆虫医科学部媒介生態室) の講演前に、生徒が予習しておくように与えられた課題は、「蚊の基礎知識」のプリントを自習習しておくこと!!一枚目のプリントの内容は以下です。

①蚊の種類:
世界中で約3,200種。日本には約130種が生息している。37の属に分類されているが、その中でイエカ属、ヤブカ属、ハマダラカ属の蚊に病気を伝搬する種類が多く、医学的に重要なグループになっている。

②蚊の生活史 
蚊は卵、幼虫、蛹、成虫の発育段階を持つ昆虫である。(完全変態)

③卵
多くの種類では産卵後2~3日でふ化する。ヤブカの仲間には、卵が乾燥すると1ヶ月ぐらい孵化せずに生き続けることができ、雨が降って水位が上がって卵が水につかると一斉に孵化する種類が多く知られている。

④幼虫の発育
夏なら約10日で成虫まで育つ。

⑤吸血
雌が卵を作るために血液を利用する。雌だけが吸血し、雄は花の蜜などを利用している。

⑥吸血嗜好性(好き嫌い)
蚊が吸血する動物は種類によっていろいろ。人を吸血しない種類もたくさんいる。吸血源になっている動物群には、魚(トビハゼのなかま)、カエル、ヘビ、カメ、野鳥(カラス、スズメ、メジロ、ツバメ、ペンギン、フクロウなど)、哺乳動物(ウシ、ウマ、ブタ、ネズミ、イヌ、サル、人など)

⑦産卵
吸血すると3日ほどで卵が完成する。卵を水面に産む種類と壁面の水際に産む種類に分かれる。水面に産む種類には卵を塊で産む種類と1卵ずつばらばらに産む種類がいる。壁面に産む種類は1卵ずつ産みつける。一度産卵すると、再び吸血して卵を作り産卵する。このように5日から1週間ほどのサイクルで、死亡するまで吸血と産卵を繰り返す。

⑧寿命
雄の方が短命で10日から2週間がふつう。雌は飼育条件では平均1ヶ月ぐらい生きる。野外での寿命はよくわかっていない。

⑨移動
雌は吸血のために飛び回る。一生の間に飛び回る範囲は種類によって異なる。藪などに潜んでいる種類は数百メーター、水田で発生して牛や豚など家畜から吸血する種類では数キロの範囲を飛び回る。

⑩吸血行動
大きく分けるとふたつ。動物が近づくのを待ち伏せて吸血する型(待ち伏せ型)と積極的に飛び回って動物を見つけ吸血する型(探索型)がある。

⑪発生源
種類によって発生する水域が異なる。空きカンや竹の切り株にたまった水のように小さな溜まり水から、水田や池・沼・川など大きな水域までいろいろな水たまりを利用する。

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