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2008年度爬虫両棲類学会 2A07講演要旨

2008年10月26日

広島県に残されたダルマガエル3集団の遺伝的特徴

小泉雄紀(広島国際学院大・工・バイオ)・内藤順一(広島県立祇園北高校)・秋山繁治(清心女子高校)・藤谷武史(東山動物園)・佐々木健(広島国際学院大・工・バイオ)・三浦郁夫(広島大・院理・両生類研)
Genetic characterization of the three populations of the endangered Daruma Pond Frog, Rana porosa brevipoda, remained in Hiroshima Prefecture
Yuki Koizumi, Jun-ichi Naitou, Shigeharu Akiyama, Takeshi Fujitani, Ken Sasaki and Ikuo Miura

 広島県のダルマガエルについて現在確認されている集団はわずか3集団にすぎない。いずれも、個体数が少なく近交弱勢が懸念され3集団間の相互交配も検討されている。
 本研究ではこれら3集団の遺伝的特徴を明らかにする目的で、核由来のSOX3遺伝子、ミトコンドリア由来のCytochrome b遺伝子およびD-loop領域について塩基配列を決定し、3集団同士および他県の集団と比較した。比較には岡山県(瀬戸町)、愛知県(師勝町)の集団および茨城県(潮来市)のトウキョウダルマガエルと広島県(吉舎町)のトノサマガエルを用いた。
 その結果、SOX3とcyt bに関しては広島3集団と岡山集団の間に大きな違いは見られなかった。D-loop領域に関してはその反復領域における反復単位の塩基配列と繰り返しパターンに注目した。まず、反復単位は2種類に大別でき、これをタイプA、タイプBとした。広島3集団および岡山の集団ではタイプA、Bともに塩基配列の違いはなかった。一方、愛知の集団には両タイプに加え、タイプAの1塩基欠失型が見られた。トウキョウダルマガエルに関してはA、B両タイプともに変異型のみで、トノサマガエルではタイプBの変異型4種類のみが見られた。反復単位の繰り返し数に関して広島と岡山の集団を比べた場合、安田集団ではタイプBの繰り返し数が多く、岡山ではタイプAの繰り返し数が多いことがわかった。以上の結果、広島3集団は基本的に岡山集団と遺伝的に極めて近いと考えられるが、D-loop領域の反復単位の繰り返し数に違いを確認した。

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