生命科学コース生徒の部屋

研究仲間のアカハライモリ

2015年2月 4日

 私達の研究仲間のアカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)を紹介したいと思います。アカハライモリは有尾目イモリ科トウヨウイモリ属に分類される両生類の一種ですが前回の投稿でも述べたようにカエルと違い多精受精を行う生物です。本州、四国、九州とその周囲の島々に分布する日本の固有種で、岡山では県北で分布しているので、私たちは繁殖期で見つけやすい春に県北まで行き採取しています。
 全長は10cm程で、お腹が赤く(なのでアカハライモリと呼ばれています)、黒の斑点模様があるのが特徴的です。テトロドトキシンという毒をもっています。お腹の赤黒の斑点模様は毒をもつことを他の動物に知らせる警戒色になっていると考えられています
 オスメスの見分け方は一般にメスの方が体が大きく、オスのほうが総排泄口周囲の膨らみが大きいので比較的見分けることができます。しかしながら研究を始めたばかりの時はなかなか見分けがつかず、先輩に手伝っていただいて何回も見分ける練習を行いました。また、春になるとオスがメスを惹きつけるために尻尾を鮮やかな紫色の婚姻色に変えます。水の中でもきらきら青白く光ってとても綺麗です。
エサは赤虫をあげていて、今は冬場なのであまり食べませんが夏はびっくりするくらい食欲旺盛です。

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投稿者 : 08:00

プレパラートマスターへの道

2015年2月 3日

今回は、私が研究の合間に読んでいる本を紹介します。題名は『顕微鏡標本の作り方』田中克己著です。私はプレパラート作り初心者なので、先生が読むように薦めてくださいました。プレパラート作りについて詳しく書かれています。プレパラート作りがどうやったら効率よくできるのか、正確に作るためのコツなども、丁寧に解読されていて私でもすぐ次に生かせそうだなと思いました。

私が前回失敗した原因についても載っていました。一回目のプレパラート作りでは、試料をガチャガチャと雑に扱ったためにプレパラートに貼り付けた試料が、割れたり剥がれたりしてしまったので、きれいにできなかったようでした。プレパラートを正確に早く作るためには小さなことにもちゃんと気を配らないといけないこともこの本を読んで分かり、とても勉強になりました。

まだまだ、道は長いけれど早くきれいにプレパラートをつくりたい!!とやる気も出てきました。これからも毎日研究頑張るぞ!!

☆今日のkiraraの豆知識

今日はイモリの不思議な能力について紹介します。私たち人間は、擦り傷や切り傷をつくったとき、かさぶたをつくって、傷を治そうとします。ですが、足や手などを切断してしまったら、また生えてくることはありません。しかし、イモリには再生能力があり、手足をまた生やすことができます。手足だけでなく、脳などの臓器も再生可能です。この再生能力は、有尾両生類(尻尾のある両生類)、たとえば、イモリやサンショウウオにあります。

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投稿者 : 15:12

パラフィンは厄介者!

2015年2月 2日


 今回はパラフィンについて説明します。パラフィンは、石油に含まれ、分留によって取り出される物質です。使用する
前は5ミリほどの粒状ですが、それらを溶かし、液状にして使っています。パラフィンは、蝋の一種なので、朝、登校してきた際に、ヒ
ーターのスイッチを入れて放課後までに溶かしておきます。パラフィンはなかなか溶けないので、朝スイッチを入れ忘れた時には、授業の間の休み時間にスイッチを入れるようにしています。
 今は冬場なので、パラフィンを外に出すと約1分ほどで固まってしまいます。焦るとパラフィンをこぼしてしまうし、ゆっくりして
いたら固まってしまいます。つまり時間との勝負です。私もグループのみんなもこの作業をするときは、緊張して一言も話さなくなりま
す。しかし、最大の難関はこの後に待ち構えています。カメの輸卵管の組織をパラフィンの中央に配置できるようにパラフィンの固まり
具合を予測し、その位置で組織をピンセットから離すことです。包埋をし始めたころは、パラフィンを固まらせた後、組織を入れ、また
パラフィンをかぶせるというような2層構造で包埋していました。しかし、そうすると包埋の後、いらないパラフィンを削る際、ちょう
ど組織のところで割れてしまい、再度包埋をしなければならないことが度々ありました。それを防ぐために、パラフィンを1度に入
れ、周りが固まり始めてから組織を素早く入れると上手くいくことを見つけたので、今はその方法で包埋を行っています。また、それ以外にも、
パラフィンがゴムくらいの硬さになったら、いらないパラフィンを削っておくことで、割れるのを防いでいます。今の方法がベストかどうかはわかりませんが、さらに研究をして、よい方法を見つけられるようがんばりたいです!

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投稿者 : 17:24

日曜日の学校

2015年2月 1日

 日曜日ですが学校に来ています。イモリはきれいな水でないと生きていけないので週末も欠かさず水替えをしたり、エサやりをしないといけません。毎日の水替えやエサやりは同じような作業に見えますが、実は各イモリの様子や体調によって餌の量などを調節しています。小さいイモリ達がエサを食べている様子はとてもかわいくて毎日癒されます。また、水槽を運ぶ作業は足腰の良い運動になっています(笑)
 来週からは実験の準備が始まるので注射や受精なども行います。核移植は1週間程前から実験の準備をしないといけないので来週は再来週の実験に向けて準備を行います。

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投稿者 : 08:00

キララライフ

2015年1月31日

今、私は家族と出掛けているわけでもなく、家でテレビを見ているわけでもなく、ましてや友達と買い物に出かけているわけでもなく、ひたすら研究に取り組んでいる。

どうも。kiraraです(笑)                                                                             今日は私のしている研究を紹介をします!                                                                               何をしているのかというと、アカハライモリの生殖について研究しています。                                                  私は、「イモリの生殖について解明したい」、単純に「イモリの細胞が見てみたい!」という思いから、昨年の10月から研究を始めました。                    研究内容を大まかに説明すると、                                                                       ①イモリの卵巣など、見たい部分をロウで固める(ろう封)                                                                ②機械でロウで固めた試料を薄く切る                                                                        ③プレパラートに貼り付ける                                                                              ④試料を染色する                                                                                    ⑤顕微鏡で細胞を観察する                                                                                 という流れでやっています。                                                                           ちなみに、この前無事はじめてのプレパラートを完成させました。自分で作ったプレパラートを観察することができてうれしかったし、感動しました。ですが、先生が作ったものと比べると、細胞がバラバラになっていたり、 観察面に気泡が入っていたりと、あまりうまくいきませんでした。 これから、練習を重ねて、技術を磨いていきたいと思っています。                                                  現在は、2回目のプレパラートづくりに挑戦中です。2回目は、1回目の反省を生かして、1回目よりきれいなプレパラートを作りたいと思います。   完成したら、報告するので、楽しみにしていてください!                                                               また、詳しい研究内容や様子は、今後のブログに載せていこうと思います。

☆今日のkiraraの豆知識                                                                              みなさんは、イモリってどんな生き物か分かりますか?ヤモリやトカゲと混同している人も多いのではないでしょうか。                    今日は私が研究しているイモリについて、少しお話します!                                                       イモリは、カエルと同じ両生類です。体長は8~12㎝。日本各地の川、池、沼などに住んでいます。                              私が研究に使っているのは、アカハライモリという種類で、名前の通りお腹が赤く、黒い模様があるのが特徴です。

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投稿者 : 15:17

レモゾールは一石二鳥!

2015年1月30日

 包埋をしました。溶剤としてキシレンがよく使われてますが、私はキシレンのマジックインキの匂いが苦手で、それに長時間使うと咳き込んでしまうので実験になりません。そこで同じ用途で使える"レモゾール"を使っています。レモゾールは、柑橘系植物の皮油を主成分としているので、レモンの香りがします。そのおかげで、スムーズに実験をすることができるようになりました。レモゾールは、実験もでき、かつ癒し効果もあるので、一石二鳥だと思います。
 完全にパラフィンに包埋する過程で、レモゾールとパラフィンを混ぜたものに脱水した固定標本入れて、66℃に設定したヒーターで保持するのですが、容器を取り出す時に、とても熱くて驚いてしまいました。普段から触っているので、もう慣れたかなと思っていましたが、油断していると急に熱いと感じてしまう時があります。なので、私の今の願いは、どんな熱さにも耐えられる頑丈な手をもつことです。

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投稿者 : 17:59

カメと包埋とyui

2015年1月29日

 はじめまして。清心女子高等学校生命科学コース1年カメ班のyuiです。私たちの班は元は4人で活動していましたが、1人留学しているので現在は3人で活動しています。私たちはカメの輸卵管のどこに精子が蓄積されているかを調べるために日々課題研究を行っています。そのため固定されたミシシッピアカミミガメの標本を使って研究しています。
 このブログでは私たちの日々の研究の様子を紹介していきたいと思います。私たちはカメの輸卵管やSといわれている解明されていない器官(シークレットのSからなまえがついたもの)の組織を顕微鏡で観察することに取り組んでいます。まず、観察したい組織をパラフィンで包埋し、それをミクロトームで薄い切片にして、プレパラートに張り付ける作業を行っています。包埋した輸卵管の標本が130個もあるので、大変な作業になることが予想されます。包埋という作業は一回の包埋で135分もかかるので、これまで毎日コツコツやってきました。私は趣味の様な感覚で毎日作業を行っています(笑)

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投稿者 : 08:00

イモリを素手でつかめちゃう系女子によるブログ

2015年1月28日

初めまして。清心女子高校1年、生命科学コースのkiraraです。                                                      ブログを見に来てくださりありがとうございます。ブログを書くのは初めてで緊張しますが頑張ります。自分の研究や体験した実習・講義について書いていく予定なのでこれからも是非見に来てください!

さて、今日の投稿では、私の所属している生命科学コースについて紹介したいと思います。このコースは、生き物が好きな人、実験が好きな人、将来理系の職業に進みたい!研究したい!という人など、とにかく理科が大好きな理系女子が集まるコースです。講義や野外実習など、普通の授業ではできないようなことも経験することができ、とても充実した楽しい毎日を送っています。そんな生命科学コースの生徒は、課題研究では自分の興味のある分野の研究をすることができ、その成果を発表し、全国大会で賞をもらっている人もいます。私はその中でも「イモリ」についての研究をしています。そんな私の研究内容は次の投稿で紹介します。お楽しみに!

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投稿者 : 08:00

クローン作成の現状

2015年1月27日

 こんにちは。生命科学コース1年生のemmaです。今日は私たちが今行っている研究について説明したいと思います。私はアカハライモリの*¹クローン作成に取り組んでいます。
 皆さんは生物学者のガードン先生をご存知ですか? ガードン先生は2012年にノーベル生理医学賞を受賞された先生で、世界で最初に脊椎動物のクローン作成に成功した研究者です。アフリカツメガエルの成体の細胞から採取した核を使ってクローンカエルを作製しました。私たちはカエルと同じ両生類でありながら受精様式が違うイモリ(カエルは*²単精受精なのに対しイモリは*³多精受精)のクローン作成に挑戦しています。具体的には、*⁴ドナー核(受精卵の胞胚の*⁵割球の一つ)を*⁶レシピエント卵(*⁷除核した未受精卵)に導入する方法で挑戦しています。
 現在、最高で胞胚まで発生させることができましたが、まだ幼生まで正常に成長させるまでにはいたっていません。インジェクターの操作になかなか慣れなくて大変ですが、良い結果が得られるように頑張っています。
【キーワード】
*¹ クローン:遺伝的に同一である個体のこと
*² 単精受精:1つの卵に1つの精子が入って受精する方式
*³ 多精受精:1つの卵に多くの精子が入りその中から1つが選ばれ受精する受精方式
*⁴ ドナー核:核を提供する側のこと
*⁵ 割球:受精卵の受精膜を破りバラバラにした時に出てくる細胞
*⁶ レシピエント卵:核を提供される側の卵のこと
*⁷ 除核:核を取り除くこと

Hello. My name is Emma and I'm a first year Life Science course student. Today I'm going to explain the research I'm currently conducting into cloning*¹ fire-belly newts (cynops pyrrhogaster).

Sir John Bertrand Gurdon won the Nobel prize for Physiology and Medicine in 2012 using the nucleus of a cell from an African clawed frog (xenopus laevis). He was the first person to successfully clone a vertebrate. Following his lead, we are attempting to clone amphibians, in this case frogs, who use single precision fertilization*², and newts, who use polyspermy fertilization. Specifically, we are trying to implant nuclei from the blastomeres*⁴ of fertilised eggs, called the donor*, into the enucleated*⁶ unfertilized eggs of the recipients.*⁷ Although we haven't yet grown eggs to the laval stage, we have successfully grown the recipients' eggs*⁶ to the point of blastula. Getting used to using the injector is quite difficult but we are continually practicing and trying hard to get good results.
[Keywords]
clone: one individual that is genetically identical to another
single precision fertilization: a method of fertilisation whereby the egg is fertilised by a single sperm
polyspermy fertilization: a method of fertilisation whereby the egg is fertilised by multiple sperms
*⁴ blastomere: a type of cell produced by cell division of a zygote after fertilisation
*donor: the individual which provides the genetic materialblastomere: a type of cell produced by cell division of a zygote after fertilisation
*⁶ enucleation: the process of removing the nucleus from a cell

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投稿者 : 16:59

生命科学コース1年生でこのHPを管理

2015年1月20日

誰がこのHPを管理して書き込んでいくかを相談した結果。名前が、「Kirara」、「Yui」、「Emma」の3つのアカウントでで課題研究の取り組みや日常の生命科学コースの活動を紹介させていただくことになりました。また、このHPのアクセス数がどのようにしたら増えるのかも、科学課題研究として分析していきたいと考えています。

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投稿者 akiyama : 20:00

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