生命科学コース生徒の部屋

課題研究に対するイメージ

2015年2月13日

私たちが行っている課題研究はどのようなイメージを持たれているのか? 気になったので、まだ研究を始めていない生徒達や課題研究にあまりかかわっていない先生方を対象に、課題研究・課題研究に取り組んでいる生徒に対してどんなイメージを持っているのか聞いてみました。

課題研究自体について

生徒

  • 1つの事に長い間取り組むから、普段学校で学ぶような学習とは少し違った深い学びができそう。
  • 自分が興味のあることを追及している。
  • 大変そうだけど楽しそう。
  • どういう取り組みをしているかはあまり知らない。

先生

  • 知識の幅が広くなって良い取り組みだと思う。
  • 大学レベルの体験を大学に入る前にしているから、将来に向けていい準備になっている。

課題研究をしている生徒について

生徒

  • 忙しそう。
  • 好きな事を楽しそうにやっていてうらやましい。
  • 将来に向けて頑張っている感じがする。
  • すごく頑張ってる。
  • 私もやってみたい。
  • 勉強時間や自由時間が少なそう。
  • 英語ができる生徒が多そう。

先生

  • 専門的な本や難しい本などにたくさん触れている。
  • 課題研究に取り組むことで視野が広がっている思う。
  • 難しい研究に一生懸命に取り組んでいるから、勉強もがんばっている姿が浮かび、好印象。

課題研究は全体的に良いイメージが多かったですが、実際私たちが行っている研究内容はあまり知られていませんでした。私たちは課題研究に取り組むことで、普段なら絶対に出会えなかったであろう人や本に出会え、多くの経験をさせていただくことができています。この経験は、将来の進路を考える中でとても参考になると思います。私はこのような経験を私たちの後輩にもしてほしいので、学校全体にもっと課題研究のことを知ってもらえればいいと思っています。課題研究はすぐに結果が出るとは限らず、難しくて忙しい時もありますが、新しい発見や解決策などを見つけたときはとても嬉しいので、楽しみながら研究に取り組むことができています。

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投稿者 : 16:28

新しい発見

2015年2月11日

 昨日講義をしていただいた岩尾先生に放課後、精子や卵が出やすいイモリの選別方法、精子や卵の出し方、除核を行う時のコツ、割球をバラバラにする時の薬品に浸ける良いタイミングなどを教えていただきました。私たちが気付かなかった細かいところなどを詳しく丁寧に教えてくださり、次回アドバイスしていただいたところを改善して実験を行うのがとても楽しみです。また、秋山先生がイモリを提供してくださったので、次回の実験からはそのイモリを使っていきます。4月までにもっと高い発生段階まで高確率で発生できるように、地道に努力を重ねていき、成果を出せるようにしたいと思います。

 今日は早速岩尾先生が教えてくださった方法で除核の練習を行いました。普段より倍率をあげての操作だったのでなかなか上手に核を吸うことができず、2時間かかってようやく納得のいく除核を行うことができました。初めて先生が手本を見せてくださった時のように除核が成功した時は同じチームの子と見せ合い、つかんだコツなどを教えあったりしてとても嬉しかったです。これからは今日成功した除核を安定して行えるように何回も練習をして成功率を上げたいです。

 岩尾先生ご指導ありがとうございました。

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投稿者 : 08:00

日曜日の学校②

2015年2月 8日

 水替えとエサやりだけでなくイモリの受精を行いに学校に来ました。
受精はさまざまな溶液を使います。なので最初はどの作業をする時にどの溶液を使うのか覚えるのがとても大変で、語呂合わせなどを使って覚えていました。
 日によってイモリの卵があまり出ないことがあります。今日は卵が5個出ましたが、精子が全然でなかったので受精をさせず20℃で保存して明日は核移植から予定を変更して除核の練習を行うことにしました。

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投稿者 : 08:00

時間生物学の講義について

2015年2月 6日

 岡山大学の富岡先生の時間生物学についての講義を聞きました。時間生物学は先輩方も研究を行われていてよく耳にする学問だったのでこの講義をとても楽しみにしていました。
 講義の内容は主に生物のもつ体内時計の性質や所在、先生の行なっている研究についてでした。生物は体内時計を持っており、そのサイクルは光と関係しているそうです。
 私は興味深かった点が2つあります。1つ目は人間を地下室に閉じ込めて時間がわからない状態にした時でも寝たり起きたりのリズムが約25時間のサイクルで繰り返されているということです。これがなぜ25時間なのか?ということはまだわかってませんがとてもおもしろい1日24時間という時間で毎日を過ごしているのに1時間ずれているというのは何か意味が知りたいです。2つ目は生理的機能でも体内時計によりピークが決められていることです。フィジカルエクササイズは夕方に、記憶力は大体13時頃、計算能力などは18時頃がピークだそうです。その記憶力や計算力のピークになる時間を考えて学習すれば効率の良い勉強ができると思います。
 突然ですが皆さんはなぜ花は日中開いていると思いますか?それ昼間活動してくる虫たちに花粉を運んでもらい受粉を行うためです。花は虫たちの生活リズムと合わせて開花時間を調節しています。「お互いが調和して生きることで生態系が成り立っているという」先生の言葉が心に残っています。
時間生物学がもっと深められれば、人間でも夜眠くならないようにしたり、夜行性に体質を変えることもできるようになるのでは?と思います。
 富岡先生とてもおもしろい講義ありがとうございました。

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投稿者 : 08:00

研究仲間のアカハライモリ

2015年2月 4日

 私達の研究仲間のアカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)を紹介したいと思います。アカハライモリは有尾目イモリ科トウヨウイモリ属に分類される両生類の一種ですが前回の投稿でも述べたようにカエルと違い多精受精を行う生物です。本州、四国、九州とその周囲の島々に分布する日本の固有種で、岡山では県北で分布しているので、私たちは繁殖期で見つけやすい春に県北まで行き採取しています。
 全長は10cm程で、お腹が赤く(なのでアカハライモリと呼ばれています)、黒の斑点模様があるのが特徴的です。テトロドトキシンという毒をもっています。お腹の赤黒の斑点模様は毒をもつことを他の動物に知らせる警戒色になっていると考えられています
 オスメスの見分け方は一般にメスの方が体が大きく、オスのほうが総排泄口周囲の膨らみが大きいので比較的見分けることができます。しかしながら研究を始めたばかりの時はなかなか見分けがつかず、先輩に手伝っていただいて何回も見分ける練習を行いました。また、春になるとオスがメスを惹きつけるために尻尾を鮮やかな紫色の婚姻色に変えます。水の中でもきらきら青白く光ってとても綺麗です。
エサは赤虫をあげていて、今は冬場なのであまり食べませんが夏はびっくりするくらい食欲旺盛です。

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投稿者 : 08:00

日曜日の学校

2015年2月 1日

 日曜日ですが学校に来ています。イモリはきれいな水でないと生きていけないので週末も欠かさず水替えをしたり、エサやりをしないといけません。毎日の水替えやエサやりは同じような作業に見えますが、実は各イモリの様子や体調によって餌の量などを調節しています。小さいイモリ達がエサを食べている様子はとてもかわいくて毎日癒されます。また、水槽を運ぶ作業は足腰の良い運動になっています(笑)
 来週からは実験の準備が始まるので注射や受精なども行います。核移植は1週間程前から実験の準備をしないといけないので来週は再来週の実験に向けて準備を行います。

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投稿者 : 08:00

クローン作成の現状

2015年1月27日

 こんにちは。生命科学コース1年生のemmaです。今日は私たちが今行っている研究について説明したいと思います。私はアカハライモリの*¹クローン作成に取り組んでいます。
 皆さんは生物学者のガードン先生をご存知ですか? ガードン先生は2012年にノーベル生理医学賞を受賞された先生で、世界で最初に脊椎動物のクローン作成に成功した研究者です。アフリカツメガエルの成体の細胞から採取した核を使ってクローンカエルを作製しました。私たちはカエルと同じ両生類でありながら受精様式が違うイモリ(カエルは*²単精受精なのに対しイモリは*³多精受精)のクローン作成に挑戦しています。具体的には、*⁴ドナー核(受精卵の胞胚の*⁵割球の一つ)を*⁶レシピエント卵(*⁷除核した未受精卵)に導入する方法で挑戦しています。
 現在、最高で胞胚まで発生させることができましたが、まだ幼生まで正常に成長させるまでにはいたっていません。インジェクターの操作になかなか慣れなくて大変ですが、良い結果が得られるように頑張っています。
【キーワード】
*¹ クローン:遺伝的に同一である個体のこと
*² 単精受精:1つの卵に1つの精子が入って受精する方式
*³ 多精受精:1つの卵に多くの精子が入りその中から1つが選ばれ受精する受精方式
*⁴ ドナー核:核を提供する側のこと
*⁵ 割球:受精卵の受精膜を破りバラバラにした時に出てくる細胞
*⁶ レシピエント卵:核を提供される側の卵のこと
*⁷ 除核:核を取り除くこと

Hello. My name is Emma and I'm a first year Life Science course student. Today I'm going to explain the research I'm currently conducting into cloning*¹ fire-belly newts (cynops pyrrhogaster).

Sir John Bertrand Gurdon won the Nobel prize for Physiology and Medicine in 2012 using the nucleus of a cell from an African clawed frog (xenopus laevis). He was the first person to successfully clone a vertebrate. Following his lead, we are attempting to clone amphibians, in this case frogs, who use single precision fertilization*², and newts, who use polyspermy fertilization. Specifically, we are trying to implant nuclei from the blastomeres*⁴ of fertilised eggs, called the donor*, into the enucleated*⁶ unfertilized eggs of the recipients.*⁷ Although we haven't yet grown eggs to the laval stage, we have successfully grown the recipients' eggs*⁶ to the point of blastula. Getting used to using the injector is quite difficult but we are continually practicing and trying hard to get good results.
[Keywords]
clone: one individual that is genetically identical to another
single precision fertilization: a method of fertilisation whereby the egg is fertilised by a single sperm
polyspermy fertilization: a method of fertilisation whereby the egg is fertilised by multiple sperms
*⁴ blastomere: a type of cell produced by cell division of a zygote after fertilisation
*donor: the individual which provides the genetic materialblastomere: a type of cell produced by cell division of a zygote after fertilisation
*⁶ enucleation: the process of removing the nucleus from a cell

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投稿者 : 16:59

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